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時代と国を超え、広がる喝采の声。現代音楽と日本文化が織りなすOshale Japanの世界観とは。篠原演劇企画 代表と、ちょんまげミュージシャン SADAが明かす挑戦ストーリー


2023年12月 「東京コミコン2023」 メインステージにて


様々な日本文化の“お洒落”を日本各地、そして世界に向けて発信する「Oshale Japan」プロジェクト。


江戸時代から続く大衆演劇や日本舞踊などにロック、ポップスなどの現代音楽を取り入れることにより、伝統と革新が交錯する新たなエンターテインメントを創り出す試みが、いま話題を呼んでいます。


日本文化を身近な娯楽として体験し、一緒に楽しもうという企画コンセプトにもワクワク要素がいっぱい。


2025年4月にはアメリカ・ロサンゼルスでの二度目の公演が決定するなど、国内外で注目度急上昇中。


そこで今回は、篠原演劇企画の篠原正浩 代表と、株式会社 WISTERIENCE 代表でミュージシャンでもあるSADAさんに、「Oshale Japan」プロジェクトの目的や意義、ビジョンなどについて楽しく語ってもらいました。



バンド×大衆演劇、ジャンルの枠を超えた舞踊ショーからOshale Japanが始まった

2023年「クールジャパンEXPO in NIIGATA」


ーー 「Oshale Japan」プロジェクトが生まれたきっかけは2022年11月5日に新潟で開催された「クールジャパンEXPO in NIIGATA」にさかのぼります。

特別ステージとして大衆演劇の人気役者13名と、日本の伝統文化と生演奏が融合したバンド破天航路が初コラボレーションした、この日限りの舞踊ショー「錦鯉が舞ひ奏づ 春夏秋冬」が上演されました。


篠原:これが我々の出会いでしたね。もともと自分には、いろんなジャンルの枠を超えた和のスーパースターチームを作りたいという構想があったんです。

新潟でのイベントは私が2022年から手掛けている大衆演劇の新風プロジェクトの一環でした。


SADA:僕は破天航路のメンバーとしてこの公演に参加して篠原さんと意気投合しました。

「いろいろな日本文化がそれぞれの枠にとらわれずにクロスオーバーできる場があったらいいですね」というお互いの夢を話し合った結果、立ち上がったのがOshale Japanプロジェクトだったんです。


篠原:Oshale Japanという名称は「新風プロジェクト」でお世話になっている脚本家の渡辺和徳さんにつけてもらいました。

最初は「OH!洒落ジャパン」という表記だったのが変わっていって、今の表記とロゴに落ち着きました。とりあえずいいと思ったことは恐れずやってみて、途中で違うなと感じたら修正していく。これが自分なりの前進の秘訣だと思っています。


2024年2月 ニュージーランド最大級の野外音楽フェス「SPLORE」にて

中央・SADA / ちょんまげサラリーマンユニット「まげ笑」としても活動する、澤村蓮・瀬川伸太郎・美月流星・天夜叉


2024年10月 アメリカ・ロサンゼルス 南カリフォルニア州最大の日本イベント「OC JAPAN FAIR」にて

中央・SADA / 左・泉葵三照(日本舞踊 泉流) / 右・三咲暁人(劇団暁 座長)



和を楽しむ輪を広げる!演者と観客の両方が楽しい遊び場を作るために


ーー SADAさんは"リアルちょんまげ"のユニークなビジュアルで親しまれているミュージシャン。日頃から音楽製作に関する幅広い分野に従事されていて、いまやOshale Japanには欠かせないキーパーソンですよね。

サービス精神旺盛で楽しいパフォーマンスに定評があり、東京コミコン2023、ニュージーランド公演、アメリカ・ロサンゼルスでの公演などでも大活躍されました。


SADA:いや、でしゃばってるだけなんですよ。これはぜひ記事に書いてください。

しゃしゃり出てるだけなんで(笑)。いつクビになってもおかしくないと自分では思ってます。


篠原:いやいや、SADAさんはもう「毎回いるもの」としてイメージづけされてますから(笑)。

お互いの夢を語り合いながら進んできた2年間でしたが、その間にOshale Japan自体が「多様なアーティストが集う遊び場」みたいなイメージになってきました。

私は大衆演劇の興行に携わる一家に生まれ育ち、子どもの頃からエンタメとして大衆演劇に慣れ親しんできました。そのためでしょうか。

そもそもエンタメは楽しむものだから「日本の和の文化をみんなで一緒に楽しみたい」という考えが根本にある。

いろんな分野の人が集まって知恵を出し合って、国内、海外の方も一緒に、どうしたらこの和の文化を楽しめるのか。それを考えること自体がOshale Japanの存在意義であると思うんです。


SADA:先日浅草で開催したTHE ASAKUSA SHOW PARADEにしても花魁道中をメインに大衆演劇、よさこいチーム、日本舞踊、ダンスチームといろんなジャンルのパフォーマーが参加して、それぞれのファンが混ざり合って、すごく「入りやすい場」になっていたと思います。


篠原:見てる人もやってる本人たちも楽しめる場になっていましたね。


今回、子どもたちにも花魁道中の禿(かむろ)役で参加していただいたんですが、今後は海外の方も交えて一緒に浅草で和の文化を発信していこうと思っています。

国内でも海外でも、どこに行ってもTHE ASAKUSA SHOW PARADEという名称を使って、"ASAKUSA"という地名を一種のブランドにしていく予定です。


2025年2月 Oshale Japan presents 「THE ASAKUSA SHOW PARADE」

花魁・三咲愛羅(劇団暁 花形)/ 肩貸し・三咲鷹人(劇団暁)/ バイオリン・MariNa


2025年2月 Oshale Japan presents 「THE ASAKUSA SHOW PARADE」

三咲暁人(劇団暁 座長)


2025年2月 Oshale Japan presents 「THE ASAKUSA SHOW PARADE」

よさこいチーム 疾風乱舞


2025年2月 Oshale Japan presents 「THE ASAKUSA SHOW PARADE」

ダンスチーム KIMONO DANCE PROJECT


2025年2月 Oshale Japan presents 「THE ASAKUSA SHOW PARADE」

一般公募で集まった、禿(かむろ)役の子どもたち


400年前のポップス"端唄"で、時代と国境を超えて笑顔に。知識がなくても楽しめる体験を届けたい。


ーー 外国人の観光客にも受けていて、手拍子や拍手がすごかったです。Oshale Japanの今後のビジョンについてはどうお考えですか?


篠原:和の文化を一緒に楽しめる団体にしていくのが根本的な理念であり、目標ですね。


SADA:そのためにも、まずはお客様に楽しんでいただけるエンターテインメントを作りたい。芸を見てもらうことでお客様に笑顔になって帰っていただきたいんです。

異文化だったり、異言語だったり、知識がない人でも楽しめる。

外国の方、老若男女、演者もお客様も一緒になって楽しめる舞台が一番ですよね。


篠原:「日本の文化を勉強しよう」ではなく、体験して遊びながら触れていく。

学ぶのではなく楽しむ。そこに我々がやる意義があると思います。



ーー Oshale Japanプロジェクトはいろんな可能性を秘めていますね。


篠原:まさにそうなんです。観光関係者の方、ホテルのイベント企画担当の方、ツアーの企画担当の方々に「我々と一緒に遊びをつくりませんか」と呼びかけたいです。

その地域の歴史を一緒に掘り起こして、日本中の人、ひいては海外の人も交えて一緒に楽しいことを作り出せたらいいですね。


SADA:僕はいま、江戸時代から伝わる「端唄」を現代的にアレンジすることに力を入れているんですが、400年前のポップスがいまの若い世代や海外の方にも熱狂的に受け入れられるってすごく嬉しいことだと感じています。

そういう文化に根付いて育った自分への自信にも繋がりますし、何かをしようというときにアイデンティティの土台がしっかりしていると、より可能性が広がりますから。




芸者衆のお座敷でもお馴染みの端唄"さわぎ"をダンスチューンにアレンジした「SAWAGI 2024」、江戸時代の浅草の風情を唄った"浅草参り"をパーティーチューンにアレンジした「ASAKUSA MAIRI」(2曲ともSADA編曲・好評配信中)



篠原:子どもたちって「町の歴史を学ぼう」と言われるよりも、「自分たちの町に昔から伝わる歌を一緒に踊ろう!」と言われたほうが、参加したがりますよね。

ただの町おこしにとどまらず、地域の文化を体験することは、ここにこんな素晴らしいものがあったんだ、という発見と感動に繋がる。

これはエンタメが持っている大きな力だと思います。


SADA:それまでその文化を知らなかった人たちが楽しめるなら、知ってる人はもっと楽しめますからね。端唄はいいですよ。

もともとは芸者さんたちが歌っていた大衆的な流行り歌ですが、とにかく粋でポップで奥が深い。今までに東京、新潟、高知、長野など10都道府県ぐらい、行政も巻き込んで端唄の掘り起こしをしてきましたが、今後は全国制覇を目指しています。

地域の和太鼓の方とか、和の文化に携わっている方々ともコラボしてみたいですね。

最終的には各地の美味しい地酒が飲みたいだけなんですけど(笑)。

お酒弱いんですけど、すぐ寝ちゃうんですけど。ただ地元の美味しいお酒は飲みたい!

それがOshale Japanとしての一番の理念かも知れません(笑)。


真夏のニュージーランド公演。熱狂的な声援を浴びた野外音楽フェス、三度笠に旅人合羽のシルエット


ーー それもある種の和の文化、Oshale Japanかもしれないですね(笑)。


篠原:それは冗談にしても、SADAさんたちは海外やいろんな地域に行っているからコミュニケーション能力がとても高いんです。

言葉がわからなくてもパフォーマンスだけで観客を沸かすことができる。現地の人の中に飛び込んでほとんどアドリブで交流できるのは強い。SADAさんが外せない存在という理由はそこにありますね。いろんな意味でOshale Japanに必要な人なんです。



SADA:僕は逆に大衆演劇の皆さんとニュージーランド公演に行ったときに、役者の皆さんが持っているポテンシャルに感動しました。これは日本だけにはとどまらない!とあらためて思いましたね。


篠原:私も、ニュージーランドの海岸を役者たちが旅人姿で歩いている写真や動画を見た時に「日本のおしゃれを発信した!」ことを実感しました。

三度笠の立ち姿、旅人合羽のシルエット、昔の長谷川一夫の所作。

この良さがわかるのは日本でもある程度年齢をいった方なんです。

ところがそれがやっぱり海外でも通用した。現地の人たちに熱狂的に迎えられたのは画期的でした。



SADA:ニュージーランド海沿いの野外音楽フェスで三度笠、派手で異質ではあるのに、なぜかしっくりくる。

これが本当の匂いをまとったおしゃれなんだと思いましたね。


篠原:おそらく、それが本当に歴史に触れる、ということだったのかと。大衆演劇の役者たちは普段からそれをなりわいにしている人たちなので「匂いをまとってる」という感じがあったのかもしれないですね。


SADA:あの南半球の真夏に海岸で三度笠!でもそれがめちゃめちゃかっこよかったわけですから。これからも日本国内、海外問わず、いろんな地域でOshale Japanのファンを作って、日本の和の文化の輪を広げていきたいです。



インバウンドからアウトバウンドまで。観客もアーティストも、一体となって楽しめるエンタメ体験を

2024年12月 浅草で行われた花魁道中


篠原:そのためにもぜひ、我々と一緒に遊んでくれる方々を募集します。普段から大衆演劇という連日連夜興行している現場にいますので、どんなことにも臨機応変に向きあえる「対応力」には自信があります。

インバウンドにもアウトバウンドにも果敢に挑戦していきたいですね。


SADA:僕はフットワーク軽く、「どこまでもちょんまげ伺います!」みたいな「会いに来るちょんまげ」みたいなスタンスを目指したいですね(笑)。とにかく観客も演者も関係者も、楽しめるのが一番だと思っています。

繰り返しになりますが、お酒は強くないですが、美味しい地酒は大好きです(笑)。

いろんな方との出会いを楽しみにしています。



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【 次回公演 】

Nakamise Street at OC Japan Fair

https://www.oc-japanfair.com/#event-info


日程:2025年4月4日(金)〜6日(日) ※3日全てに出演

📍会場:OCフェア&イベント・センター(アメリカ・カリフォルニア州)

92626 California, Costa Mesa, Fair Dr


出演:橘鈴丸(橘小竜丸劇団鈴組 座長)/ SADA(音楽・ベーシスト)/ 花ノ本以津輝 (日本舞踊家)



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■ Oshale Japan


伝統と革新が交錯する新たな日本文化を世界へ


長く豊かな歴史を持つ大衆演劇・日本舞踊をはじめとした日本の『伝統』芸能。

最新のトレンドやポップカルチャーを取り入れたダンスや ロック・EDMといった音楽などの『革新』の表現。

Oshale Japanは、日本が長い歴史の中で紡いできた伝統的な文化と

時代の先端をいく革新的な表現を統合した

新しい日本文化を世界へ届ける

未だかつてないスケールで行うエンターテインメントプロジェクト。


WEBSITE https://oshale-japan.com/


Visual Works(プロモーションビデオ)公開中! 

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■ chonmage records.


音楽家・SADAが手がける楽曲を中心とした、音楽レーベル。


江戸時代のポップスである端唄を、現代的なロックやダンスチューンにアレンジした楽曲や劇中テーマ曲を配信中。


配信楽曲一覧はこちら





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